微生物を用いる変異原性試験は、有害物質調査制度においてはがん原性のスクリーニーング試験として位置付けられている変異原性試験であり、当センターでも多くの実施実績があります。
エームステストとも呼ばれ、化学物質の変異原性をサルモネラや大腸菌を用いて調べます。
変異原陽性物質を入れたシャーレ(写真右)には、突然変異を起こした細菌のコロニーが多数形成されています。
シャーレ上の細菌のコロニーは、コロニーカウンターで正確に数えます。
従来法では、「液体」や「個体」の化学物質は、液層で細菌と接触させます。しかし、「ガス」や「揮発性」の化学物質は液層での細菌との接触が不十分で、変異原性の検出が困難でありました。そこで当センターでは、動物試験における吸入曝露技術を生かし、「ガス」や「揮発性」の化学物質を細菌に確実に曝露処理する技術を独自に開発し、デドラーバッグ®法と命名しました。
デドラーバッグ®法で使用する器材を写真に示しました。
デドラーバッグ®内に細菌を塗ったシャーレを入れ、そこに一定濃度の化学物質をポンプや流量計を用いて入れ、バッグを密封し、ガス状の化学物質を細菌に曝露します。