令和5年産業殉職者合祀慰霊式について

 令和5年10月25日(水)、東京都八王子市の高尾みころも霊堂において、令和5年産業殉職者合祀慰霊式が執り行われました。

 産業殉職者合祀慰霊式は、労働災害により不幸にして亡くなられた方々の御霊をこれまでに奉安された方々の御霊と合わせてお祀りし、労働災害の根絶を御霊の前で誓う式典です。令和5年慰霊式では、御遺族、厚生労働大臣(代理 厚生労働審議官)、日本労働組合総連合会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、中央労働災害防止協会、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、八王子市、公益財団法人産業殉職者霊堂奉賛会の代表の方々が御参列され、2,389名の御霊を高尾みころも霊堂に御奉安いたしました。
 また、御参列できなかった御遺族の方々のためにインターネットによるライブ配信を行い、同日同時刻の黙とうに御協力いただきました。
 なお、式典の様子は、こちらからご覧になれます。


産業殉職者の霊位奉安

遺族総代表による御霊簿奉上



慰霊の詩朗読(朗読:関谷亜矢子さん

霊堂から放たれる風船



 

○式辞

 本日、ここ高尾みころも霊堂に、全国各地から産業殉職者のご遺族の方々をお招きし、また、行政機関、労働団体、経済団体、各界代表の方々のご参列をいただき、令和五年産業殉職者合祀慰霊式を挙行いたします。
 私どもは、労働災害により亡くなられた方々の御霊(みたま)を奉安するため、昭和四十七年に本霊堂を建立し、毎年、秋に慰霊式を行い、御霊(みたま)をお慰めして参りました。
 労働災害は、長年にわたる労使及び行政機関並びに災害防止団体の方々の積極的なご努力により減少してきておりますが、今なお、重大な災害や職業性疾病の発生は絶えることはなく、数多くの尊い生命(いのち)が失われています。
 本日、新たな悲しみと尊崇の念をもって、二千三百八十九名の方々をこの霊堂にお迎えしなければなりません。この高尾みころも霊堂に、新たな御霊(みたま)をお迎えすることにより、二十七万三千四百二十三名の方々が奉安されることになります。
 慰霊式を執り行うに当たり、産業殉職者の御霊(みたま)が霊堂の奥深く安らかな眠りにつかれますことをお祈り申し上げますとともに、今後とも、働く方々の生命(いのち)と健康が十分に守られ我が国が引き続き発展できますよう、切に願うものであります。
 結びに当たり、ご遺族の方々のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、併せてご参列くださいました関係各位に深甚なる謝意を表し、式辞といたします。

                                            令和5年10月25日
                                      独立行政法人労働者健康安全機構
                                             理事長 有賀 徹

○慰霊の言葉(内閣総理大臣)

 秋深まりゆく高尾山の麓、この清閑な「高尾みころも霊堂」において、御遺族並びに各界代表からの御参列をいただき、五十二回目の産業殉職者合祀慰霊式が執り行われるに当たり、謹んで慰霊の言葉を捧げます。
 不幸にして労働災害によって殉職された方々は、在りし日において職業人としての誇りを胸に、それぞれの職場で大いに御活躍され、我が国の社会経済の発展と国民生活の向上に多大なる貢献をされました。有為な前途を残しながら、不慮の災害や事故、病気によって尊い生命を失われた方々の無念と、最愛の方を失われた御遺族の深い悲しみを思うと、言葉になりません。ここに改めて、衷心より哀悼の意を捧げます。
 働く方一人ひとりがより良い将来を望める社会にするべく働き方改革を推進している中にあって、生命が脅かされたり、健康が損なわれたりするようなことは、あってはなりません。こうした悲しみを繰り返すことのないよう、労働災害の根絶に向けた取組を改めてお誓いいたします。
 結びに、この霊堂に祀られる御霊が永遠に安らかでおられますとともに、御遺族の皆様の御多幸を心よりお祈りし、慰霊の言葉といたします。

令和5年10月25日
内閣総理大臣 岸田 文雄

○慰霊の言葉

 本日、御遺族並びに各界代表からの御参列をいただき、産業殉職者合祀慰霊式が執り行われるに当たり、謹んで慰霊の言葉を捧げます。
 我が国の社会経済の発展と豊かさは、様々な産業で働いてこられた方々のたゆみない御尽力によって築かれたものです。
 一方、この発展と豊かさの陰には、労働災害によって尊い生命を失われた方々が数多くおられることを、私たちは決して忘れてはなりません。
 ここ「高尾みころも霊堂」に、新たに二千三百八十九名の御霊をお迎えする本日の合祀慰霊式に臨み、労働災害により亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、かけがえのない御家族を失われた御遺族の皆様に対し、心からお悔やみ申し上げます。
 私たちは、働くことにより生命が失われることがあってはならないという信念の下、働く方々の安全と健康が守られる職場をつくる努力を積み重ねてまいりました。しかしながら、今なお多くの方が労働災害で亡くなられている現実があることに、厚生労働大臣として痛惜の念に堪えません。
 「人生百年時代」を迎える中で、働く方々の高年齢化や産業構造の変化、働き方の多様化が進んでいます。どのような状況であっても、全ての働く方の安全と健康が確保され、御家族とともに幸せに暮らしていける社会を実現することが、私たちの責務であることを強く肝に銘じ、今後も、労働災害の根絶に向けて、働く方々の視点に立った職場づくりに努力を傾注してまいります。
 結びになりますが、この霊堂に祀られている御霊が永遠に安らかでおられることを、また、残された御遺族がお健やかでおられることを心からお祈り申し上げ、私の慰霊の言葉といたします。

令和5年10月25日
厚生労働大臣 武見 敬三

 

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