令和2年10月28日(水)、東京都八王子市の高尾みころも霊堂において、「令和2年産業殉職者合祀慰霊式」が執り行われました。
産業殉職者合意慰霊式は、労働災害により不幸にして亡くなられた方々の御霊を奉安し、労働災害の根絶を御霊の前で誓う式典であり、49回目の令和2年も、御遺族、厚生労働大臣(代理 厚生労働審議官)、日本労働組合総連合会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、中央労働災害防止協会、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、八王子市、公益財団法人産業殉職者霊堂奉賛会の各代表の方々が御参列され、2,541名の御霊が高尾みころも霊堂に御奉安されました。
令和2年の慰霊式は、新型コロナウイルス感染防止の観点から十分な間隔を確保した上で、式典への参列者の範囲・人数を縮減しての開催となりました。式典の様子は、
こちらからご覧になれます。
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産業殉職者の霊位を奉安 |
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遺族総代表による御霊簿奉上
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○式辞
本日、ここ高尾みころも霊堂に、全国各地から産業殉職者のご遺族の方々をお招きし、また、行政機関、労働団体、経済団体、各界代表の方々のご参列をいただき、令和二年産業殉職者合祀慰霊式を挙行いたします。
私どもは、労働災害により亡くなられた方々の御霊を奉安するため、昭和四十七年に本霊堂を建立し、毎年、秋に慰霊式を行い、御霊をお慰めして参りました。
労働災害は、長年にわたる労使及び行政機関並びに災害防止団体の方々の積極的なご努力により減少してきておりますが、今なお、重大な災害や職業性疾病の発生は絶えることはなく、数多くの尊い生命が失われています。
本日ここに、新たな悲しみと尊崇の念をもって、二千五百四十一名の方々をこの霊堂にお迎えしなければなりません。この高尾みころも霊堂には、新たな御霊をお迎えすることにより、二十六万六千二百四十五名の方々が奉安されることになります。
慰霊式を執り行うに当たり、産業殉職者の御霊が霊堂の奥深く安らかな眠りにつかれますことをお祈り申し上げます。
また、今年は、新型コロナウイルス感染症が世界を覆い、世界中の人々がこの試練に打ち勝つため、奮闘を続けています。
この困難な状況を乗り越え、働く方々の生命と健康が十分に守られ我が国が引き続き発展できますよう、切に願うものであります。
結びに当たり、ご遺族の方々のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、併せてご参列くださいました関係各位に深甚なる謝意を表し、式辞といたします。
令和2年10月28日
独立行政法人労働者健康安全機構
理事長 有賀 徹
○慰霊の言葉(内閣総理大臣)
秋深まりゆく高尾山の麓、この清閑な「高尾みころも霊堂」において、御遺族並びに各界代表からの御参列をいただき、産業殉職者合祀慰霊式が執り行われるに当たり、謹んで慰霊の言葉をささげます。
不幸にして労働災害によって殉職された方々は、在りし日において職業人としての誇りを胸に、それぞれの職場で大いに御活躍され、我が国の社会経済の発展と国民生活の向上に多大な貢献をされました。
ひとたび家庭に帰れば、家族を愛し、家族から愛される、慈愛に満ちた家庭の中で、かけがえのない大切な存在であったことでしょう。
志半ばにして尊い生命を失われた方々の無念と、最愛の方を失われた御遺族の深い悲しみを思うと、言葉になりません。ここに改めて、衷心より哀悼の意を捧げます。
このような悲しみが繰り返されることのないよう、誰もが安心して安全かつ健康に働くことができる職場の実現に向けて、労働災害を根絶するための取組に全力を尽くすことを、改めてお誓いいたします。
結びに、この霊堂に祀られる御霊が永遠に安らかでおられますとともに、御遺族の皆様の御多幸を心よりお祈りし、慰霊の言葉といたします。
令和2年10月28日
内閣総理大臣 菅 義偉
○慰霊の言葉(厚生労働大臣)
本日、御遺族並びに各界代表の御参列をいただき、ここに産業殉職者合祀慰霊式が執り行われるに当たり、謹んで慰霊の言葉をささげます。
我が国の社会経済の発展と豊かさは、様々な産業で働いてこられた方々のたゆみない御尽力によって築かれたものです。
一方、この発展と豊かさの陰には、労働災害によって尊い生命を失われた方々が数多くおられることを、私たちは決して忘れてはなりません。
ここ「高尾みころも霊堂」に、新たに二千五百四十一名の御霊をお迎えする本日の合祀慰霊式に臨み、労働災害により亡くなられた方々に哀悼の誠をささげるとともに、かけがえのない御家族を失われた御遺族の皆様に対し、心からお悔やみを申し上げます。
私たちは、働くことにより生命が失われることがあってはならないという信念の下、働く方々の安全と健康が守られる職場をつくる努力を積み重ねて参りました。しかしながら、今なお労働災害で多くの方が亡くなられておられる現状に、厚生労働大臣として痛惜の念に堪えません。
現下の新型コロナウイルスの感染拡大が、働き方や働く環境に様々な影響を及ぼす中にあっても、全ての働く方の安全と健康が確保され、幸せに暮らしていける社会を実現することが、私たちの責務であることを強く肝に銘じ、今後も労働災害の根絶に向けて、働く方々の視点に立った職場づくりに努力を傾注して参ります。
終わりに、この霊堂に祀られている御霊が永遠に安らかでおられることを、また、残された御遺族がお健やかでおられることを心からお祈り申し上げ、私の慰霊の言葉といたします。
令和2年10月28日
厚生労働大臣 田村 憲久