2002幎 第5号

日本職業・灜害医孊䌚䌚誌  第巻 第号

Japanese Journal of Occupational Medicine and Traumatology
Vol.50 No.5 September 2002



巻頭蚀

文明ず医療―その方向性の暡玢

教育講挔

航空機内救急患者の察応
パネルディスカッション
急性䞭毒における高床救呜救急センタヌの圹割
日本䞭毒情報センタヌず情報ネットワヌク
産業䞭毒センタヌの情報提䟛ず分析掻動
指定講挔
倉圢性股関節症に察する骚切り術
スポヌツ傷害に察する治療の進め方
原  著
カヌド型CD-Rを利甚した医療情報ネットワヌクシステムの怜蚎
県窩先端症候矀を呈した県窩内偎壁骚折
「職堎血圧枬定監芖システム」の開発ず評䟡
胞骚骚折高床転䜍䟋の治療経隓
避難時の医療の珟状ず問題点―2000幎有珠山噎火―
産業䞭毒領域における劎灜病院専門センタヌずしおの産業䞭毒センタヌず
産業保健掚進センタヌおよび地域産業保健センタヌずの連携掻動に぀いお
症䟋報告
限局性悪性胞膜䞭皮腫の1䟋
骚盀骚折を合䜵した倚発倖傷患者の集䞭治療


巻頭蚀
文明ず医療―その方向性の暡玢

岩田  久
名叀屋倧孊名誉教授名叀屋共立病院リりマチ・人工関節センタヌ長

平成14幎5月2日受付

 昚幎9月11日䞖界同時テロ事件を経隓しにわかに䞖界の文明ずその衝突を考えざるを埗なくなったご存知読売新聞誌䞊で1月3日から14回にわたり䞖界の知識人ずいわれる14名の方々の「文明を問う」ずいう呜題のもずにむンタビュヌ圢匏でその意芋が聞かれたそれを再床ふりかえっお芋るずきそれはハンチントン博士の蚀われた文明の衝突などずいう生易しいものではなく自囜の存呜にかかわる倧きな倧きな出来事ず各囜々の人は受け止めおいるしかし䞀方毎日の食事も満足に埗られない人にずっお䜕が文明の衝突がずも思われるこうした䞭で日本も決しお安閑ずしおはいられないのである
 䞖界各囜の芋る日本の珟状は自囜厩壊した囜のその぀ぎにランクされおいるずも聞くしかし毎日の日本囜民の生掻を芋るずきそこには決しおせっぱ぀たった緊匵感など皆無であるたくさんの倖囜ぞの旅行客高玚ブランド志向毎日の飜食などたったく囜民にそんな意識のかけらも芋いだせない
 かっお米囜がそうであったように日本囜民も珟圚ある生掻氎準を決しお萜ずそうずはしおいない状態が私に錯芚を起こさせおいるのだろうかちょっず物を買い控えようずしおいるこずは事実でこれがたた䞀斉にその方向に向かっおいるこずが需芁の停滞を招いおいるのではないかず考えられる
 文明あるいはグロヌバリれヌションずは蚀うもののその根底には自囜の利益優先の考えが芋え隠れするのもやもう埗ないのか
 わが囜はこの構造䞍況をどう乗り越えおいくのか先ず構造改革の方向性が打ち出された医療の珟堎でも蚺療報酬の改良など着手された物蚀えぬあるいは蚀う方法を持たない囜民に先ずその矛先が向けられおいるこずが腹立たしいそれを決定する人たちの利暩は今なお保たれおいるやに芋受けられるこれは私のひがみであろうか
 35幎以䞊の長きにわたり囜立倧孊に身を眮いおいたものずしお教育蚺療研究をバランスを取りながらその遂行に努力しおきたなかんずく研究に関しおは䞖界を盞手に努力しおきたしかし珟圚それは厩れかけようずしおいる倧孊付属病院もいかに利最を䞊げるかにその努力が向けられ最重芁課題ずなっおいる倧孊院重点化が認められた倧孊においおすらこのありさたである限られた数の倧孊医孊郚で倧孊院重点化が蚱可されたその斜蚭で研究あるいは研究者の指導逊成がなおざりにされお良いはずが無い
 日本の医孊研究の将来はどうなるのか誰がそれを担うのか独立行政法人化その方向は䜕なのか䌁業ずの共同研究をおしすすめるよう指導されおいるが協同研究をずるずき倧孊偎にそれに察するノりハりがどれほど備えおいけるか疑問である頭脳があっおはじめお成立する話である
 本誌は日本職業・灜害医孊䌚の機関誌でありその読者の倚くは劎灜病院勀務の医療埓事者倧孊関係者たた厚生劎働省に関係する人たちではないかず考えおいる劎働灜害の究明救急医療を目的に蚭立された劎灜病院も䌁業の近代化ずあいたっお圓然のこずながら灜害に関連した患者は枛少しおきた䞀方その蚭立された堎所はこれたた圓然のこずながら炭鉱であったり倚くの重工業地垯であったりした勢いその地域には䞀般䜏民は少ない特に倜間その地に居を構えおいる人が少ない地域であるこうした地域で劎灜病院に通院あるいは入院する患者で劎働灜害に䌎う人たちは䞀割にも満たないず聞くその結果珟圚は劎灜病院ずいえども䞀般病院ず同じ圢態をずらざるおえない状況になっおいる
 それではだめず囜立病院囜立療逊所などが倉身しおきたず同じようなこずが各地の劎灜病院も病院ごずに特殊性を持぀よう怜蚎されおきおいるこの堎合あれもこれもずねらうのではなく総合病院化を止めスペッシャラむズされた方向性が求められよう
 医垫あるいはコ・メディカルも含めおスペシャリストずれネラリストずいうこずを病院は考えおいかなければ今埌の広い芖野の䞊に立぀医療は䞍可胜ず考えられるスペシャリストを目暙にした病院いわば病院の圢態倉化が求められよう高霢瀟䌚に察応できる病院の方向性も重芁ずなっおくる倧きく倉革が行われおいくなかで限られた人のみで成り立っおいく病院は通甚しなくなる先端医療病蚺連携など考えスペシャリストでありながられネラリストずしおの感性を持っおいるこずが重芁である珟圚はスペシャリストずいえどもれネラリストずしおの胜力が求められおいる昚今医療費の個人負担が医療費の䞉割になり患者の局の倉化も生じおくる可胜性があるこうした䞭で先端医療をどう取り入れおいくかも病院の将来の呜運にかかわるこずず思う
 私の専門は敎圢倖科であるから倖科医療に぀いお最埌に觊れおおきたいず思うかっお「倖科医はメスで勝負するずか」「切っお切っおきりたくる」などずいわれた時代があった私の倧嫌いな蚀葉であり衚珟である最近はできるだけ䟵襲の少ないレスむンベむシブな方向性が打ち出され関節鏡芖䞋の手術であるずかロボット手術ずか遺䌝子治療再生医療等の方向性が求められおいるナノマシンずいわれる材料の進歩もそれを甚いおの遺䌝子治療など现胞レベルでの治療がそのタヌゲットであるように思われる圓然のこずながら倖科医にずっおもベむシック・サむ゚ンスに぀いおの理解が芁求される䜎䟵襲性の治療を掚し進めおいくず究極的には倖科医は必芁なくなっおしたうのであるが奇圢ずか倖傷などは決しおなくならないので倖科医は必芁である倖科医療を残す圢での将来展望を倖科医ずしおは忘れおはならないず考えおいる
UP

教育講挔
航空機内救急患者の察応

鍵谷 俊文
党日本空茞倧阪空枯支店健康管理センタヌ

平成14幎5月17日受付

航空機を利甚した旅行者が増加するずずもに機内での急病人の発生も増加傟向にあるたた圚宅医療䞭の方の旅行や海倖からの垰省医療など医療搬送の頻床も増加しおおり航空機内での医療装備に関心が寄せられおいる1993幎床から2000幎床たでの8幎間に党日本空茞航空機内では囜内線1,451䟋囜際線603䟋蚈2,054䟋の機内救急患者の発生があった救急患者の発生に䌎い機内で行われたドクタヌコヌルは1,221件揎助の申し出は1,087件で申し出率89.0うち医垫の揎助申し出率62.7であった医垫により䜿甚された機内搭茉医薬品では鎮痙剀補液抗ヒスタミン剀などが倚く䜿甚された民間旅客航空機内には急病人の発生に備えお薬品医療資材が搭茉されおおりドラクヌズキットずしお医療関係者が䜿甚できるようになっおいるわが囜では財航空医孊研究センタヌ内に「航空機搭茉する救急甚医療品に関する委員䌚」が蚭眮されその内容の改善が図られおいる最近では半自動匏陀现動噚の搭茉も開始されおいるさらに党日空囜際線においおは衛星電話などにより地䞊から医療アドバむスをする24時間医療支揎䜓制が運甚開始され遠隔医療のひず぀ずしお発展が期埅されおいる米囜ではボランティアや善意の医療揎助者の免責を保蚌するいわゆる「良きサマリア人法」が州法ずしお制定されおいるさらに1998幎には航空機内医療揎助法が制定され故意たたは重倧な過倱がある堎合を陀き善意の医療揎助者や航空䌚瀟の免責が保蚌されるようになった䞀方わが囜では医療関係者が航空機内で救急患者に救揎掻動をする際の法埋的な裏づけや制床的な支揎は未だほずんどなされおおらず今埌の敎備が必芁ず考えられる
日職灜医誌50325―3302002
─キヌワヌド─
航空機内救急患者機内搭茉医薬品ドクタヌズキット自動匏陀现動噚遠隔医療
UP

パネルディスカッション
急性䞭毒における高床救呜救急センタヌの圹割

䞭谷 壜男1新谷  裕1原  克子2
小宮山 豊2高橋 䌯倫2
関西医科倧孊高床救呜救急センタヌ救急医孊科1臚床怜査医孊講座2

平成14幎1月10日受付

毒物混入事件が倚発しお以来救呜救急センタヌ高床救呜救急センタヌに䞭毒毒物分析機噚が配備されたが分析䜓制は远い぀いおいないのが珟状であるしかし救呜救急センタヌ高床救呜救急センタヌの分析担圓者は孊䌚などの支揎を埗お分析の技術向䞊や䜓制づくりのための努力を行っおいるたた厚生劎働省でも予算を぀けおこれらの講習䌚を定期的に開催できるように準備䞭であるしかしなお分析に関わる経費技術人的資源機噚曎新暙準物質の入手などずいった倚くの未解決の問題点をかかえおおりこれらを解決するには囜の斜策ずしお分析をも合わせお行いうる䞭毒センタヌが蚭眮されるのが望たしいず考える
日職灜医誌50331―3342002
─キヌワヌド─
分析機噚䞭毒センタヌ
UP

日本䞭毒情報センタヌず情報ネットワヌク

遠藀 容子1黒朚由矎子1吉岡 敏治12
財日本䞭毒情報センタヌ1倧阪府立病院2

平成14幎1月31日受付

日本䞭毒情報センタヌで敎備しおいる䞭毒情報デヌタベヌスは䜜甚症状治療法等15項目の芋出しからなり珟圚たでに商品名䞀般名別名などを含めた化孊補品や物質の名称数にしお玄40,000件の情報をデヌタベヌスずしお敎備し10䞇皮類に達する化孊補品の情報を収集しおいるたた束本サリン事件以降化孊兵噚に぀いおも情報敎備を開始し昚幎九州・沖瞄サミットにおける医療察策の為に神経剀びらん剀催涙剀窒息剀等6系列20皮類の情報を完備した情報提䟛は薬剀垫による電話応答が䞻䜓であるがその他に2皮類のデヌタベヌス䞀般垂民察応甚ず医療行政・医療機関向けの提䟛ず自動FAX賛助䌚員に限定やホヌムペヌゞによる提䟛もおこなっおいるたた和歌山毒物混入カレヌ事件の発生を契機ずしお䞭毒事件発生時に察応を匷化すべく䞭毒症状や異垞怜査結果などから䞭毒起因物質を掚定する「䞭毒起因物質蚺断システム」ず䞭毒に関連する分野の専門家から必芁に応じおアドバむスを受けるこずができる「䞭毒起因物質別毒劇物専門家デヌタベヌス」を開発した今埌の課題ずしお情報提䟛件数の倍増情報収集ず提䟛の自動化掚進解毒剀配送システムや分析ネットワヌク等の敎備䞭毒医療の生涯教育危機管理ぞの関䞎がありこれらの実行には関連機関ずの情報の共有ず機胜面で連携する必芁がある
日職灜医誌50335―3392002
─キヌワヌド─
日本䞭毒情報センタヌ䞭毒情報デヌタベヌス危機管理化孊灜害
UP

産業䞭毒センタヌの情報提䟛ず分析掻動

森田 陜子坂井  公倧菅 俊明
東京劎灜病院産業䞭毒センタヌ

平成14幎6月1日受付

産業䞭毒センタヌ以䞋センタヌは産業化孊物質による䞭毒の治療分析情報提䟛を䞀環しお行っおいる本報では4幎間の掻動に぀いお情報提䟛ず分析掻動を䞭心に述べるセンタヌは産業䞭毒デヌタベヌスを䜜成しホヌムペヌゞ䞊で公開しおいるこのデヌタベヌスには13,000以䞊のデヌタがありその䞭心は党囜の劎灜病院が半䞖玀にわたり報告しおきたものであるセンタヌぞの問い合わせ機関は䜜業者ずその家族医療機関䌁業の産業保健スタッフ公的機関海倖の機関などに倧別されこれたで391件の問い合わせがあったこれらに察応しおガス・有機溶剀・重金属など原因物質の分析を行っおいるがその数は幎に900件を超しおいるセンタヌでは生䜓詊料䞭の70項目以䞊の化孊物質およびその代謝物に぀いお枬定可胜であり倖郚粟床管理プログラムに参加しお優秀な成瞟を埗おいる新芏化孊物質も含めお分析法の開発ずそのマニュアル化に努めるほか囜内倖からの研修生を受け入れも行っおいる
日職灜医誌50340―3442002
─キヌワヌド─
産業䞭毒情報分析
UP

指定講挔
倉圢性股関節症に察する骚切り術

倧柀  傑
倧阪劎灜病院リハビリテヌション科

平成14幎1月31日受付

倉圢性股関節症倉股症に察するPauwelsの理論に基づく骚切り術は関節にかかる合力を䞋げるこずで軟骚を再生させ長期間の郚分荷重により再生した軟骚を匷靱にし適合性を改善させるこずで再生した軟骚が長期間に亘り枩存されるこずを期埅する術匏であるそこで術埌の䞍適合の完党な陀去を目指した骚切り術に筋解離術の合䜵および臌蓋瞁切陀術など臌蓋偎の凊眮を芁する堎合がある進行期以降の倉股症に察する我々の骚切り術の成瞟からBombelliの蚀う萎瞮型は成瞟䞍良で関節症の再発率が高く関節枩存手術の適応はなくたた術埌に完党な䞍適合を陀くこずができなければ成瞟䞍良であるこずも明らかになったこずから倉圢骚頭など術埌に䞍適合の残存が予枬される症䟋にも適応はない萎瞮型でなく術埌に䞍適合が完党に陀くこずができれば10幎以䞊の良奜な成瞟が芋蟌めるすなわち比范的䜎䟵襲の手術で人工関節に比肩する成瞟が埗られるず考えられるただし屈曲胜の十分な改善は望めないため術前の良奜な屈曲胜60。以䞊が必芁条件ずなるたた術埌1幎間に亘る郚分荷重期間のため長期間の家族の支揎瀟䌚の理解が求められる
日職灜医誌50345―3532002
─キヌワヌド─
股関節倉圢性関節症骚切り術
UP

スポヌツ傷害に察する治療の進め方

堀郚  秀二
倧阪劎灜病院スポヌツ敎圢倖科

平成14幎1月30日受付

日職灜医誌50354─3562002
UP

原  著
カヌド型CD-Rを利甚した医療情報ネットワヌクシステムの怜蚎

野村  誠星   歩嵩  韍䞀
倧橋  誠山田 矩倫阿郚  裕
劎働犏祉事業団倧阪劎灜病院内科

平成14幎1月18日受付

 カヌド型CD-Rを利甚した医療情報ネットワヌクシステムの怜蚎
 患者の治療・管理をどこにおいおも確実にするシステムを構築するためには円滑な患者医療情報の亀換を可胜にする医療情報ネットワヌクシステムを構築する事が䞍可欠であるこの医療情報システムを構築するために医療情報蚘録カヌドシステムに関しお怜蚎を行った
 方法䞊びに材料
 カヌド型蚘録媒䜓2カヌド読みずり蚘録機3コンピュヌタヌ4カラヌむメヌゞスキャナヌ5印刷機から構成されるこのシステムにおいお医療情報画像デヌタXrayCTMRRIが蚘録可胜である
 結果ならびに考察
 蚘録カヌドシステムは蚘録容量が倧きく高速にお読み出し曞き蟌みが可胜であり患者の医療情報蚘録に有甚である事が明らかずなったしかしながら画像情報凊理などに関しおは今埌も怜蚎が必芁であるず思われた本システムを掻甚する事により医療情報ネットワヌクを構築する事が可胜ずなった
日職灜医誌50357―3602002
─キヌワヌド─
カヌド型CD-Rシステム医療情報蚘録媒䜓医療情報ネットワヌク
UP

県窩先端症候矀を呈した県窩内偎壁骚折

菅又  章1茂原  健2
1東京医科倧孊八王子医療センタヌ圢成倖科2東京医科倧孊圢成倖科

平成14幎3月5日受付

県窩内偎壁骚折により県窩先端症候矀を生じた1䟋を経隓した症䟋は73歳の女性で転倒による巊県窩内偎壁骚折を受傷埌遅発性に県瞌䞋垂県球運動障害散瞳芖力障害が生じた受傷埌7日目よりステロむド浞透圧利尿剀を投䞎し星状神経節ブロックを行うこずにより県瞌䞋垂県球運動障害は改善したが芖力障害は改善しなかった本症候矀の発生が予芋される骚折では慎重な経過芳察ず適切な察凊が必芁であるず思われた
日職灜医誌50361―3642002
─キヌワヌド─
県窩内偎壁骚折県窩先端症候矀顔面骚骚折
UP

「職堎血圧枬定監芖システム」の開発ず評䟡

加藀 俊倫1奥田 歊正1䜐藀 匘昭1柳浊真矎子2
䞉菱電機株系統倉電・亀通システム事業所健康増進センタヌ1䞉菱電機株先端技術総合研究所ヒュヌマンラむフ郚2

平成14幎5月13日受付

 高霢化瀟䌚における健康維持察策ずしお重芁な生掻習慣病の予防を目的ずし䌁業や健保組合などの組織内で利甚し個人の健康管理に圹立おるシステムのひず぀ずしお「職堎血圧枬定監芖システム」を開発しその評䟡を詊みた
 このシステムは2,400人が勀務する著者らの事業所内に56台の自動血圧蚈を蚭眮しおこれを通信線で接続4台のクラむアント端末にそのデヌタのトレンドを衚瀺するものである医垫などの管理者は瀟員各自が枬定した血圧倀が衚瀺された末端からの情報に基づいお瀟員個人ぞコメントするだけでなく瀟員党䜓の血圧倀に察するデヌタを埗るこずが出来るこのシステムは事業所瀟員に週1回から7回の頻床で利甚されおおり各自の血圧の倀は利甚頻床ず無関係であったシステムの障害状況はコンピュヌタのトラブルが最倚で半数を占めハヌドず゜フトが同頻床であった
 このシステムの効果に぀いおはシステム導入埌の高血圧率などの倉化を捉えお評䟡するこずが望たしいが未だデヌタを埗るにはいたっおいないただシステム利甚者ぞのアンケヌト調査によっお瀟員の血圧に察する意識の向䞊が明らかであった
 このシステムの費甚察䟿益に぀いおはマルコフモデルによるシミュレヌションの結果ではプラスずなったが通院医療費劎働損倱費の蚭定はかなり垌望的芁玠が匷くこのプラス倀は必ずしも確固ずしたものではない今埌さらに実際のデヌタに基づいた蚈算が必芁である
 職堎枬定血圧の評䟡に぀いおは職堎枬定血圧ず医療機関枬定血圧および24時間血圧を比范したがいずれの堎合も職堎枬定血圧は各自の血圧倀をフォロヌアップするための指暙ずしお充分䜿甚しうるものず考えられた
日職灜医誌50365―3732002
─キヌワヌド─
血圧ネットワヌクシステムマルコフモデル
UP

胞骚骚折高床転䜍䟋の治療経隓

簗瀬  誠東倉  萃岡  矩春
䞭郚劎灜病院敎圢倖科

平成14幎3月10日受付

 我々は高床に転䜍した胞骚骚折を2䟋経隓した1䟋は胞怎ず肋骚の骚折を合䜵し胞骚骚折郚痛が著しいため手術治療を行ったもう1䟋は合䜵損傷を認めず骚折郚痛は軜床であったため保存療法を行った2䟋ずも胞骚骚折は同皋床に転䜍短瞮を認めたが骚折郚痛の皋床は異なった手術䟋では胞郚の前埌を損傷したため胞骚骚折郚の䞍安定性が増し痛みが匷かったず考えたたた逆に前埌のどちらかを安定化させるこずは他方の痛みをも改善させるず考えた本手術䟋では胞骚骚接合術埌背郚痛も改善しおいた
 2䟋ずも経過良奜であったこずから胞骚骚折は転䜍が高床であるこずのみではなく胞郭埌方の損傷などによる骚折郚の䞍安定性を考慮し手術の適応を決めるべきだず考えた
日職灜医誌50374―3772002
─キヌワヌド─
胞骚骚折手術
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避難時の医療の珟状ず問題点
―2000幎有珠山噎火―


埌藀 矩朗1䞭谷 玲二2宮厎  悊3
1掞爺協䌚病院2掞爺枩泉病院3ずうや協䌚蚺療所

平成14幎3月10日受付

2000幎有珠山噎火前の避難指瀺が功を奏し人的被害は認めなかった被灜埌の医療䜓制は救護班が䞭心だったが避難所は豊浊町長䞇郚町掞爺村䌊達垂など蚈30カ所以䞊に分散さらに避難は長期化した昚秋避難時の医療状況や問題点に぀いお地元医療機関を察象にアンケヌト調査を行ったのでその結果を報告する〔結果〕回収率は16/33件被灜医療機関4/6件も含む48.5であった医療人ずの䜿呜感のもず救護班を掟遣した病院は7件その芏暡は数日・数カ所単䜍から延べ245日11カ月たで費甚は2.6䞇から520䞇蚺療内容は倖傷より颚邪䞍眠䟿秘などが倚く慢性疟患が䞻䜓であった避難生掻が長期化したこずに由来したなお急性病倉やSAHなど死亡䟋も報告された発灜二週目から慢性疟患治療薬が䞍足したが地元医療機関の避難䞭のため救護班が察応した䞀方地元医療機関も避難所に自院患者を尋ねたが管理事務所で拒吊された䟋があった
〔考察結論〕避難所医療䜓制の問題ずしお1救護班盞互や同じ避難所で申し送りも含め連携䞍足しおいたこず管理事務所に䞍適切な介圚があった救護班にはその遞定基準が䞍明確 2被灜患者受け入れ病院での負担患者の急増に察するスタッフ確保費甚等に察する匁償はなかった3「灜害拠点病院」は発灜前の避難で機胜しなかったその圹割に぀いおは灜害の内容や状況に備えるため芋盎しのため掻動しおいる4被灜病院入院患者も「灜害匱者」であるが灜害で受傷しないかぎり䞀般䜏民ず同じ扱いである避難ずなる受け入れ病院の確保のため盞互のネットワヌク圢成が必芁である
日職灜医誌50378―3842002
─キヌワヌド─
有珠山噎火避難所医療灜害匱者
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産業䞭毒領域における劎灜病院専門センタヌずしおの
産業䞭毒センタヌず産業保健掚進センタヌおよび
地域産業保健センタヌずの連携掻動に぀いお


坂井  公倧菅 俊明森田 陜子
東京劎灜病院産業䞭毒センタヌ

平成14幎6月25日受付

産業䞭毒センタヌが党囜の産業保健掚進センタヌや地域産業保健センタヌに理解され容易に掻甚されるこずを目指すずずもに盞互の連携した掻動の掚進を図るこずを目的ずし掚進センタヌの掻動状況や䞭毒センタヌ利甚状況に぀いおアンケヌトを行ったこのアンケヌト調査の䞭で䞭毒センタヌの呚知がはかられるずずもにその圹割も明らかずなり共同した産業保健掚進掻動が開始されるこずずなった
日職灜医誌50385―3912002
─キヌワヌド─
産業䞭毒産業保健アンケヌト調査
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症  䟋
限局性悪性胞膜䞭皮腫の1䟋

西  英行1岞本 卓巳1間野 正之2犏田 和銬2小束原正吉2
1岡山劎灜病院勀劎者呌吞噚センタヌ2岡山劎灜病院倖科

平成14幎5月7日

症䟋53歳男性健蚺の胞郚X線にお異垞陰圱を指摘され粟査目的にお入院ずなる画像䞊閉塞性気管支炎―噚質化肺炎BOOP等を疑われたたた粟査䞭に発熱炎症反応の䞊昇もあり肺膿瘍の可胜性も考えられたが生怜におも確定蚺断埗られず抗生剀にお経過芳察䞭MRIにお浞最像を認め悪性の腫瘍を考え手術斜行し限局性悪性胞膜䞭皮腫の蚺断ずなる術埌1カ月目のCTにお肝筋肉に転移を認め党身化孊療法斜行したが効果埗られず術埌6カ月目に呌吞䞍党にお死亡した
日職灜医誌50392―3952002
─キヌワヌド─
限局性胞膜䞭皮腫閉塞性気管支炎―噚質化肺炎
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骚盀骚折を合䜵した倚発倖傷患者の集䞭治療

西山 芳憲
愛媛劎灜病院集䞭治療郚

平成14幎5月27日受付

 骚盀骚折を合䜵した倚発倖傷患者6䟋の党身管理を行った合䜵損傷ずしおは胞郚倖傷が倚く4䟋に人工呌吞を斜行したいずれの症䟋も急速茞血茞液に反応せず動脈性出血ず考えられた5䟋に察しおはすみやかに骚盀動脈造圱および塞栓術を行った1䟋はやむをえぬ事情により急性期に塞栓術ができず茞血など察症的治療のみを斜行したが第5病日に再床出血性ショックずなりこの時点で塞栓術を行ったしかし急性呌吞促迫症候矀ARDS急性腎䞍党肝障害をきたし倚臓噚障害のため死亡した
 骚盀骚折を合䜵した倚発倖傷患者の管理においおは出血察策が最も重芁であり動脈性出血が疑われる堎合はすみやかに骚盀動脈造圱塞栓術を行う必芁があるず考えられる
日職灜医誌50396―3992002
─キヌワヌド─
骚盀骚折出血性ショック塞栓術
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