未払賃金立替制度を利用するに当たり、証明書を作成される場合は、以下の点に御留意いただきますようお願いします。 |
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退職日から6か月以内に、破産手続開始等の申立が行われなければ、立替払の対象とはなりません。
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立替払の対象となる労働者は、破産手続開始等の申立日(または事実上の倒産に係る労働基準監督署長への認定申請日)の6か月前の日から2年の間に当該事業場を退職した者に限られます。
(賃金の支払の確保等に関する法律施行令第3条)
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未払賃金額等については、客観的な資料によって確認をお願いします。
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未払賃金額や就労状況については、労働者名簿・賃金台帳・就業規則(給与規程・退職金規程等の付属規程を含む。)のほか、以下のような客観的な資料によって、事実関係の確認をお願いいたします。
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①定期賃金については、口座振込が行われていた通帳等の記録、所得税・社会保険・雇用保険等の納付記録など |
②退職金については、過去の退職者への支払実績や労働基準監督署への退職金規程の届出など |
③就労状況については、タイムカード・出勤簿・工事日報など |
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未払賃金額について、不相当に高額と認められる場合は、立替払の対象とはなりません。
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事業活動に支障が生ずるに至った時期以降の定期賃金の改定や退職金制度の新設などによって増額された部分は、事業主が通常支払っていた賃金の額に照らし不相当に高額と認められる額に該当し、原則として、立替払の対象とはなりません。
(賃金の支払の確保等に関する法律施行令第4条第2項、同法律施行規則第16条)
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定期賃金(給料)のみの未払の場合も、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」の提出が必要です。
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立替払金は、租税特別措置法により、定期賃金(給料)部分も含めて、退職所得の扱いとなります。
したがって、立替払請求書の下欄の「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」(以下「申告書」という。)欄の記入が必要です。
なお、立替払金以外に他の退職所得がある場合(中小企業退職金共済制度等の社外積立の退職金の支給を受けている場合など)は、立替払請求書下欄の「申告書」ではなく、正規の「申告書」(税務署備え付けのもの(国税庁または機構ホームページからもダウンロード可能))及び当該退職所得に係る「源泉徴収票・特別徴収票」(写)の提出が必要となりますので、立替払請求者にご周知いただくようお願いいたします。
(租税特別措置法第29条の4、所得税法第199条、第201条)
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証明書記入上の注意
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1 立替払の対象となる者 |
立替払の対象となる者は、破産手続開始の決定、特別清算開始の命令、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定(以下「破産手続開始の決定等」といいます。)があった事業主に雇用されていた労働基準法上の労働者であって、破産手続開始、特別清算開始、再生手続開始の申立て(以下「破産手続開始の申立て」といいます。)の日の6か月前の日から起算して2年間に退職した者で、未払賃金の総額が2万円以上の者ですから、これらの要件に該当する者についてのみ証明してください。
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2 証明者 |
証明者は、破産手続開始の決定等を行った裁判所又は破産管財人(破産手続開始の決定の場合)、清算人(特別清算開始の命令の場合)、再生債務者又は管財人(再生手続開始の決定の場合)、管財人(更生手続開始の決定の場合)です。
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3 証明書番号 |
2人以上の退職労働者について証明する場合は、証明書右上の「証明書番号」の欄に通し番号を記入し、最後に証明した者については、通し番号の後に(完)と記入してください。
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4 本社(名称又は氏名) |
「本社(事業主)」の欄の(名称又は氏名)には、事業主が法人の場合は法人の名称、事業主が個人の場合
は個人の氏名を記入してください。
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5 業種番号 |
「本社(事業主)」の「業種番号」の欄には、企業全体の事業内容から判断して、①製造業 ②鉱業 ③建設業 ④運輸交通業 ⑤貨物取扱業 ⑥農林業 ⑦畜産・水産業 ⑧商業 ⑨金融広告業 ⑩映画・演劇業 ⑪通信業 ⑫教育研究業 ⑬保健衛生業 ⑭接客娯楽業 ⑮清掃・と畜業 ⑯官公署 ⑰その他の事業の中から該当するものを選び、その番号を記入してください。
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6 労働者数 |
「本社(事業主)」の「労働者数」の欄には、破産手続開始等の申立てがなされた日の概ね1年前に、企業全体について、常態として使用していた常用労働者の数を記入してください。ここで言う常用労働者とは、2か月を超えて使用され、又は使用されることが予定されている労働者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該企業の通常の労働者とおおむね同等である者をいいます。
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7 事業場(名称) |
「事業場」とは、退職労働者が働いていた本社、支店、工場、営業所等をいいます。退職労働者が勤務していた事業場名を記入してください。事業場が本社と同一のときは「同上」と記入してください。 |
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8 裁判所への申立日 |
③の「裁判所への申立日」の欄には、破産手続開始等の申立を行った日を記入してください。なお、同一の破産手続開始の決定等に係る破産手続開始等の申立が2以上ある場合には、最初の申立日を記入してください。 |
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9 基準退職日 |
⑤の「基準退職日」の欄には、雇用保険被保険者離職票、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書、解雇辞令、出勤簿等により、当該労働者の退職した日を記入してください。
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10 生年月日 |
⑦の「生年月日」の欄の( 歳)には、運転免許証、国民年金手帳、健康保険被保険者証、雇用保険被保険者離職票、住民票の記載事項証明書(住所、氏名及び生年月日が明らかになるもの)等公的機関の発行に係る書類のうちいずれか(これらにより確認できない場合には、労働者名簿、労働契約書等)により、⑤の基準退職日時点における退職労働者の満年齢を記入してください。 |
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11 賃金・手当 |
(1) |
⑧の「未払賃金の額」の欄の「定期賃金」とは、労働基準法第24条第2項本文に規定する毎月1回
以上、一定の期日を定めて支払われる賃金(税金・社会保険料等の控除の前の額)をいい、「退職手当」
とは、退職一時金及び退職年金の双方を含みます。
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(2) |
労働基準法第26条の「休業手当」は、原則として、「未払賃金」の額に含まれますが、事業活動を停
止した場合の停止日以後の休業手当は、事業主が事業再開のために具体的な活動を行っている期間中
(30日を限度とする。)のもの以外は「未払賃金」の額には含まれません。 |
(3) |
破産手続開始等の申立の前後に賃金規程、退職手当規程等が増額改訂された場合の増額された額及び退職手当が新たに設けられた場合の当該退職手当の金額は、「未払賃金」の額に含まれません。
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(4) |
賞与及び労働基準法第20条の解雇予告手当は「未払賃金」の額に含まれません。
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(5) |
「手当」は、それぞれ手当ごとに「名称」と「金額」を記入してください。記入欄が足りないときは、
2段に記入してください。書ききれない場合であっても「名称」を「その他」とし、まとめて記入しないでください。
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(6) |
「支払済額」とは、支払われるべき定期賃金及び退職手当のうち既に支払を受けた額をいい、「差引
額」とは、事業主の債権に基づく差引額をいいます。「支払済額・差引額」の欄には、支払済額と差引
額との合計額を記入してください。
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12 退職労働者に証明書を交付された場合は、速やかに次に掲げる証拠書類(各1部)を当機構(審査課)に送付してください。 |
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必ず提出していただく書類 |
ア 破産手続開始等の申立書の写し(申立日、申立ての経緯及び理由、労働者の解雇・退職の状況、労働債権の状況のわかるもの) |
イ 裁判所の破産手続開始等の決定書の写し |
ウ 商業登記簿謄本の写し(事業主が個人の場合は、税金の申告等1年前の企業活動を示す書類及び事業主の住民票の写し) |
エ 賃金台帳の写し(退職月を含む前6か月分) |
オ 賃金計算期間の中途で退職した労働者の未払賃金計算書(月決めの基本給や手当に関する日割計算書) |
カ 退職手当の未払があるときは、就業規則・賃金規程・退職金規程の写し、退職手当の計算書、雇入年月日と基準退職日を確認することができるもの(雇用保険被保険者資格喪失確認通知書や労働者名簿等の写し) |
キ 民事再生の場合は、再生計画書の写し、具体的な弁済計画、監督委員の意見書の写し及び雇用保険被保険者離職票の写し又は退職辞令の写し |
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必要に応じて提出していただく主な書類(上記以外にも審査上必要となる場合には、提出をお願いしています。) |
ク 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書若しくは離職票又は出勤簿若しくはタイムカード等労働実態を確認できるものの写し |
ケ 労働条件通知書・労働契約書の写し |
コ 就業規則、賃金規程の写し |
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※不正受給について |
偽りその他不正の行為により立替払を受けたときは、立替払金額の2倍の額の納付を命じられるほか、刑事責任を問われることになります。 |
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求償手続の時期について
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破産管財人等に対して、当月内に立替払した分をまとめて翌月上旬に代位取得及び支払内容を通知し、破産管財人等から賃金債権の裁判所への届出の回答を受け取った後、翌月末までに破産債権届出書又は破産債権名義変更届出書を裁判所へ提出します。 |
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事前に、機構にご連絡・ご相談ください。
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次のような場合は、証明書を発行される前に、当機構 審査課までご連絡・ご相談いただきますようお願いいたします。
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①立替払の要件や手続などに疑問がある場合 |
②客観的な資料が乏しい場合 |
③証明書を交付した者に対して、立替払が行われる前に財団債権の弁済や優先的破産債権の配当が行われる場合(二重払を避けるため) |
④多数の請求(100名以上)が見込まれる場合 |
⑤民事再生により立替払の証明をする場合 |
⑥船員について立替払の証明をする場合 |
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未払賃金立替払制度の研修会について
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各裁判所、日本弁護士連合会倒産法制等検討委員会、各弁護士会及び全国倒産処理弁護士ネットワーク等が毎年各地で開催する研修会等で、未払賃金立替払制度について説明を行わせていただいております。
研修会の開催を検討される場合は、当機構 審査課までご連絡いただきますようお願いいたします。
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