日本バイオアッセイ研究センターについて

 

 労働現場で使用されている化学物質の中には、職業がんを始め重篤な職業性健康障害を引き起こす原因となる物質があります。このため、国は昭和52年(1977年)に労働安全衛生法を改正し、既存の化学物質については国自らが有害性の調査を実施し、新たに開発された化学物質については労働現場で使用される前に有害性を調査することを事業者に義務づけることとしました。

 既存化学物質の有害性評価を実施するために、国は昭和57年(1982年)に日本バイオアッセイ研究センターを設立し、業務運営を中央労働災害防止協会(中災防)に委託しました。その後、平成28年(2016年)に、独立行政法人労働者健康安全機構に統合され、現在に至ります。

 職場環境において労働者がガス状又はエアロゾル化した化学物質に曝露される経路は、主に呼吸器を介した吸入曝露経路であり、本研究センターにはこの曝露形態を模した吸入試験を行うことが出来る毒性試験施設を有しています。近年、生産量が増加しているナノ材料に対応した粉体吸入曝露を実施するための、ナノ粒子曝露装置を独自に開発し、長期吸入がん原性試験を実施しています。一方、迅速な評価を目的とした遺伝子改変動物を用いた発がん性試験も実施しています。

 また、微生物を用いる変異原性試験、ほ乳類の培養細胞を用いる染色体異常試験およびげっ歯類を用いる小核試験等においても、ガス状物質や揮発性物質に対応可能な曝露技術を開発し、試験を実施しています。

 更に、労働者健康安全機構における重点研究等として、労働現場で問題となった事例等に関わる毒性発現メカニズムの解析研究を実施しています。

日本バイオアッセイ研究センター 正面からの写真

 

 

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日本バイオアッセイ研究センター

法人番号7020005008492
<所在地> 〒257-0015 神奈川県秦野市平沢2445
TEL 0463-82-3911(代表)、 FAX 0463-82-3860